ツァイスレンズ 3rdインプレッションです♪ |
導入以来順次移行を済ませ我が家の主力レンズとなった“Carl Zeiss”レンズですが、今までのレポートでもお分かりのように万能では勿論なく、むしろ最近のレンズと比べれば多数の欠点を抱えています。 実際のところは、レンズの抱える欠点を“味”として面白がっているってのが現状で、アマチュアが趣味として使うのは良いでしょうがプロが仕事として使うのであれば大きなリスクと多大なる労力を必要とするのではないでしょうか?
大体がオートフォーカスの使える優秀で豊富なEFレンズ群が使い放題のキヤノンのカメラを使いながら、何が楽しくて見辛いAFカメラのファインダーでピントの山のつかみ辛いプラナーのマニュアルフォーカスで苦労をしなければならないのか(笑)
しかし、たま〜〜に偶然決まった時の素晴らしい描写が麻薬になり苦労が快楽になるっていう廃人一歩手前の状態で彷徨っていますが、ツァイス(特にプラナー)をポートレートに使う場合でフォーカスと共に問題になるのが“最短撮影距離の長さ”です。
特にドール撮影では等身大ばかりではなく“60 cm 級”や“1/6 級”のドールの撮影も行いますので“大口径開放戦線近接撮影派”としては最短撮影距離が長く寄れないってのは非常にストレスが溜まる欠点で“EF 12U エクステーションチューブ”を使って接写していましたが、遠写の出来ない接写リングを使うと60
cm 級のドール撮影の場合は私が最も多用する撮影距離前後が接写リングの切り替え距離になり煩雑な思いをする事になります。
何とか横位置撮影でウェストラインからアップまで撮影できたらな〜 っと思っていると“コンタックスに7.5 mm の接写リング”があるというではありませんか? そうと聞いては黙っていられません、早速入手してテストですが、この接写リングは限定販売だったらしく現在入手はほぼ絶望的ですので、中古で見つけた時は迷わず即入手しましょう〜
今回のテストでは、背後の窓から逆光の光が入っていますがメインは右側の窓からの光が入っており、反対側の左手前に銀レフ板を置いてシャドー部分に光を入れています。 また、全てのレンズを開放絞りで使っており、シャッター速度は絞りに合わせて計算上で求めていますので、近距離撮影により暗くなった分は現像時にデジタル補正しています。
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Sonnar T* 2.8/180 mm AEG のテスト・・・ |
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上:
通常最短撮影
中上:
EF 12U 最遠撮影
中:
EF 12U 最短撮影
中下:
7.5 mm 最遠撮影
下:
7.5 mm 最短撮影
室内(自然光)
右側の窓より外光
左前下より銀レフあり
カメラ:EOS-5D
シャッター速度:1/40
絞り数値:F/2.8
露出補正:0
ISO感度:125
露出プログラム:マニュアル
焦点距離:180.0 mm
ホワイトバランス:5200K
AFモード:マニュアル
撮影倍率
ノーマルの状態では最大倍率が少し足りない感じですね。 私の使い方ではEF 12Uを使用した状態が最遠・最近共に丁度良さそうです。
解像感
7.5 mm・EF 12U共に使用しても問題とするほど解像感の低下は無いようで開放から特に問題なく使用できるようです。
ボケ味・収差
ボケ・収差共に最大倍率が上がるに伴って大きくなりますが、色収差は遠写の方が気になるレベルで、特に7.5
mmの最遠撮影は窓に掛かった黒網の付近に派手な緑色がでています。
色合い・コントラスト
7.5 mm・EF 12U共に収差の増大に伴ってコントラストの低下が見られるようですが、色合いには大きな変化は見られないようです。
被写界深度
通常撮影の最短撮影距離であればF/2.8の開放撮影で良い感じですが、さすがに7.5 mm・EF 12Uを使った最短撮影では半〜1段絞った方が良いかもしれませんね。
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Planar T* 2.0/100 mm AEG のテスト・・・ |
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上:
通常最短撮影
中上:
EF 12U最遠撮影
中:
EF 12U 最短撮影
中下:
7.5 mm 最遠撮影
下:
7.5 mm 最短撮影
室内(自然光)
右側の窓より外光
左前下より銀レフあり
カメラ:EOS-5D
シャッター速度:1/80
絞り数値:F/2.0
露出補正:0
ISO感度:125
露出プログラム:マニュアル
焦点距離:100.0 mm
ホワイトバランス:5200K
AFモード:マニュアル
撮影倍率
ノーマルの状態でゾナー180 mmよりも更に最大倍率が落ちていますが、面白いのはEF 12Uを使った最遠撮影が同じ倍率って事で、少し寄り過ぎですので7.5 mmの方が使い易そうですね。
解像感
さすがにF/2.0開放での最短撮影ではEF 12U使用時の解像感低下は気になるレベルですね。
7.5 mm使用時に半段、EF 12U使用時には1段以上は絞りたいですね。
ボケ味・収差
ボケ・収差共に最大倍率が上がるに伴って大きくなりますが、EF 12Uの最短撮影以外は許容レベルです。
また、色収差はそれほど気にならず逆光でも問題なく使えますね。
色合い・コントラスト
7.5 mm・EF 12U共に収差の増大に伴ってコントラストの低下が若干見られるようですが、色合いには大きな変化は見られないようです。
被写界深度
通常撮影の最短撮影距離であればF/2.0の開放撮影で良い感じですが、さすがにEF 12Uを使った最短撮影では被写界深度が浅すぎでソフトフォーカス化していますので1段以上は絞りたい所ですね。
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Planar T* 1.2/85 mm AEG のテスト・・・ |
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上:
通常最短撮影
中上:
EF 12U 最遠撮影
中:
EF 12U 最短撮影
中下:
7.5 mm 最遠撮影
下:
7.5 mm 最短撮影
室内(自然光)
右側の窓より外光
左前下より銀レフあり
カメラ:EOS-5D
シャッター速度:1/200
絞り数値:F/1.2
露出補正:0
ISO感度:125
露出プログラム:マニュアル
焦点距離:85.0 mm
ホワイトバランス:5200K
AFモード:マニュアル
撮影倍率
ノーマルの状態でプラナー100 mmよりも更に最大倍率が落ちていますが、EF 12Uでは最遠撮影が近過ぎですので7.5 mmの方が使い易そうですね。
解像感
さすがにF/1.2開放ではEF 12U使用時の解像感低下は気になるレベルで、ほとんどソフトフォーカスレンズになっています。
7.5 mm使用時に1段、EF 12U使用時には2段以上は絞りたいですね。
ボケ味・収差
ボケ・収差共に最大倍率が上がるに伴って大きくなりますが、EF 12Uの使用時以外は許容レベルです。
また、色収差はそれほど気にならず逆光でも問題なく使えますね。
色合い・コントラスト
7.5 mm・EF 12U共に収差の増大に伴ってコントラストの低下が若干見られるようですが、EF 12U使用時の最短撮影でのマゼンタ系の色濁りが気になる所です。
被写界深度
通常撮影の最短撮影距離であればF/1.2の開放撮影でも悪くありませんが、さすがに接写リングを使った場合は厳しいようで、7.5 mmで1段、EF 12Uで2段以上は絞った方が良さそうですね。
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Planar T* 1.2/55 mm MMG のテスト・・・ |
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上:
通常最短撮影
中上:
EF 12U 最遠撮影
中:
EF 12U 最短撮影
中下:
7.5 mm 最遠撮影
下:
7.5 mm 最短撮影
室内(自然光)
右側の窓より外光
左前下より銀レフあり
カメラ:EOS-5D
シャッター速度:1/200
絞り数値:F/1.2
露出補正:0
ISO感度:125
露出プログラム:マニュアル
焦点距離:55.0 mm
ホワイトバランス:5200K
AFモード:マニュアル
撮影倍率
ノーマルの状態でプラナー100 mmと85 mmの中間程度の最大倍率ですが、EF12Uではマクロ専用となってしまいますので7.5 mmの方が少しはマシですね。
解像感
さすがにF/1.2開放では7.5 mm・EF 12U共に接写リング使用時の解像感低下は気になるレベルで、ほとんどソフトフォーカスレンズになっています。
7.5 mm使用時に1〜2段、EF 12U使用時には2段以上は絞りたいですね。
ボケ味・収差
ボケ・収差共に最大倍率が上がるに伴って大きくなっており、7.5 mm・EF 12U共に開放撮影付近では気になるレベルになります。
しかし、色収差はそれほど気にならず逆光でも問題なく使えますね。
色合い・コントラスト
7.5 mm・EF 12U共に収差の増大に伴ってシャドー・ハイライト部が飛び易くなっているようです。
プラナー85 mmと同じようにEF 12U使用時の最短撮影でのマゼンタ系の色濁りが気になる所です。
被写界深度
通常撮影の最短撮影距離であればF/1.2の開放撮影でも悪くありませんが、さすがに接写リングを使った場合は厳しいようで、7.5 mmで1〜2段、EF 12Uで2段以上は絞った方が良さそうですね。
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APO-Lanthar 90 mm F/3.5 SL のテスト・・・ |
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室内(自然光)
右側の窓より外光
左前下より銀レフあり
カメラ:EOS-5D
シャッター速度:1/20
絞り数値:F/3.5
露出補正:0
ISO感度:125
露出プログラム:マニュアル
焦点距離:90.0 mm
ホワイトバランス:5200K
AFモード:マニュアル
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最後に比較として以前“コシナ”で販売していた“APO-Lanthar 90 mm F/3.5 SL”を使って見ますが、このレンズは小型で携帯性が良く解像感も非常に高いですが、開放絞りが“F/3.5”と暗いのでポートレートには使わず仕事で使っていました。
しかし、改めて使って見ると、色乗りはあっさりしていますが最短撮影距離の開放撮影からコントラストも高くマクロレンズ並みの解像感で収差も少なく纏まった描写をします。 まあ〜 いろいろな人の評価でも“どんな条件でも問題のない描写”をし、“どの絞りでも安定”しており、“絞りによって被写界深度が変化するだけ”と言われ、プラナーとは好対照の癖のないミネラルウォーターのようなレンズと評価されているようです。
確かに60 cm級や1/6級のドールを撮るのであればF/3.5の暗いレンズでも準マクロレンズとして使い出があるかもしれませんね〜
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総評・・・ |
って事で、小さい子の撮影用に接写リングのテストをしてみましたが・・・
Canon EF 12U Extension Tube
アップオンリーで使うのであれば、マウントアダプターを装着したツァイスレンズとカメラの間に接写リングを噛ませるだけで楽ですし、最大倍率が約二倍と接写効果も高いので有難いですが、最遠撮影が丁度中途半端なところへ来るので撮影のリズムが崩れてしまう欠点があります。
CONTAX 7.5 mm Extension Tube
最大倍率は約1.5倍と低いですし、レンズとマウントアダプターの間に入れなければならないので装着は面倒ですが、最遠撮影距離が適度なところへ来るので接写リングを付けたままでの撮影範囲が広いのが便利です。
それと、欠点として7.5 mmは絞りレバーが連動しないのでコンタックスで使っても絞込み測光のみとなりますが、元々マウントアダプターでの使用ですから関係ありませんね(笑)
まあ〜 全体としては60 cm級のドールには“7.5 mm エクステーションチューブ”、1/6 級のドールには“EF 12U エクステーションチューブ”の使用頻度が高くなるのではないでしょうか。
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